前回、ケーブルフィシャーで上げる2エレデルタループを作成してみて、作成のノウハウは大体得ました。そこで今度は、3エレデルタループに挑戦してみることにしました。これが重量的にもケーブルフィシャーで上げる事の出来るアンテナの限界になるのではと思っています。
また、このサイズになると強風ではアンテナ(3エレデルタループ)を上げる事が出来なくなると思われるので、その時の為に同じパーツを使用して1エレデルタループとして使用できるようにもしました。
設計に当たっては、「軽量」、「運搬時のコンパクト化」に、今回は「サイドの切れ(F/B比)」を良くすることを付け加えて設計することにしました。(山頂で混信の多い時に威力を発揮すると思います。)
今回も製作する前に、JA1WXB松田氏の作成した「アンテナ特性解析プログラム MMPC」を使用して3エレデルタループの性能を計算で求めて見ました。このソフトは使用する素材から計算によりアンテナの特性を求めることが出来ます。これによっていちいち製作しないでも素材のチェックや性能把握ができます。色々シュミレートさせた結果下記のような結果になりました。
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部品名 | 個数 |
肉厚0.5mmのアルミ丸パイプ 直径8mm X 長さ1000mm | 7本 |
肉厚0.5mmのアルミ丸パイプ 直径7mm X 長さ1000mm | 1本 |
肉厚1mmのアルミ丸パイプ 直径10mm X 長さ1000mm | 4本 |
肉厚1mmのアルミ丸パイプ 直径7mm X 長さ1000mm | 1本 |
プラスチックケース W55 X H20 X D40 | 1個 |
FCZアンテナバランキット 寺子屋シリーズ 048B |
1個 |
BNC型コネクター | 1個 |
1mmのステンレス線 | 約15m |
430MHzのアンテナ用エレメントクランプ | 5個 |
ネジ、水糸、ケーブルストッパーなどの小物 | 少々 |
水平部に使用するアルミパイプのエレメントは持ち運びしやすいように、最長部が500mmの5分割のパイプで構成します。
分割した5本のパイプは紐を引っ張ることにより1本のエレメントになります。
この方法は、テントのポールなどに使用されているジョイント方法と同じ仕組みで、私が一貫して使用している作成方法です。出来たエレメントは430MHzのアンテナ用のエレメントクランプでブームに固定します。
給電部は50オームになる設計ですので、プラスチックケースの中にFCZのアンテナバランキットを利用し1:1のバランを作成し給電しています。
ポールへの固定方法は左の写真に解るようにL字型アクリル版の板に固定して止めます。
ブームは直径10mmのパイプをジョイントさせて作成しています。作成方法は、エレメントと同じ方法です。
調整ですがまずラジエータから始めます。ラジエータは給電用にバランがあるために、長さに少しの影響がでます。そこでまず、MMPC を利用し計算でラジエータだけの時に何処に共振するかを求めます。
今回の材質では、約52MHzとでました。早速組み立ててSWRを見たところ、水平部分を「2250mm→2160mm」とすることで共振するとでました。これで、ラジエータ部分の補正が終了しました。次に、リフレクターとディレクタを付けて調整した結果下記の用になりました。
調整後の実サイズ
ラジエータ :2250mm(2160mm 一時調整後) → 2125mm
リフレクタ :4582mm(2291mm X 2) → 4495mm
ディレクタ1 :4340mm(2170mm X 2) → 4250mm
<各部品の写真>
※ケーブルフィシャーを除いた状態で約900gです。
(各部の拡大写真)
<実戦で使用中の3エレデルタ>
ほるす(後藤 @ JR1NNL )