50Mhz用超軽量ヘンテナの制作

はじめに

 山岳移動にぴったりで、なおかつ軽量コンパクトで設営が楽なヘンテナを作って見ました。
 材料はどこでも手に入るものを極力使いました。作業時間も一日掛かりません。是非皆さんチャレンジしてみて下さい。

DE 7L1UGC 鈴木幸男


仕様

  • アンテナ形式  ヘンテナ
  • 周波数      50Mhz帯   
  • 利得       多分約5dBi位
  • 指向性      8の字
  • 全長×全幅   使用時 3m×1m
  • 収納サイズ    仕舞寸法45cm
  • 重量        170g(1mmワイヤー使用時)    

材料(本体のみ)

  1. アルミパイプ 8mm(内径6mm)×1m  1本
  2. アルミパイプ 6mm(内径4mm)×1m  2本
  3. 4mm×25mm ネジ            4本
  4. 蝶ナット 4mm               4個
  5. マウント金具(アルミチャンネルなど)  少々
  6. ステンレスワイヤー線 1〜1.5mm径  6m(3m×2)
  7. 圧着端子(2-4)              4個
 

作り方

軽量コンパクトを達成するために、アルミパイプは細目の6mmパイプを中心にエレメントを構成しました。中央部には強度を持たせるため8mmのパイプを使います。
 上下のエレメントは3本継ぎにして畳んだ時に短くなるようにして収納性をアップしてみました。このため本体は全長45cmに抑える事が出来ました。もっと短くすることも可能です。
上下のエレメントは左右が丁度1mになります。8mm径のアルミパイプ(肉厚1mm)と6mm径のアルミパイプを使います。
今回は仕舞い寸法を短くするために3本継ぎにしました。
中央部は8mm径。長さは45cmにカットします。6mmパイプは33.3cmにカット。
余った8mmパイプでストッパー代りのパーツとして10mm程の長さにカットしておきます。
6mmのパイプに10mmに切った8mmパイプの切れ端を被せます。(写真参照)6−8−6と3本を釣竿のようにつなぎ合わせます。その時に全長が1mになるように調整します。それほど正確でなくても平気です。

仮組みが出来たらストッパー替わりの8mmパイプを圧着して動かないようにします。
次に差込具合の調整です。高級品の釣竿のようにスーッと収まれば最高ですが、なかなか上手く抜き差しが出来ないかも知れませんが、根気良く調整して下さい。ヤスリはあまり使わないようにしましょう。うまく入らない原因はほとんどが曲がりです。

出来ましたか?。仕上げは両端にネジを埋め込む工程です。頭を飛ばした真鍮の4mmビスをパイプに差し込んで止めるのですが、当然ながら4mmのビスのほうが内径より小さくゆるゆるの筈です。ここも圧着ペンチなどでかしめて止めて下さい。


水平エレメントの取付け方

水平エレメントの取付けは組み合わせて使うマスト(ポール)によって最適な方法を見つけて下さい。
チャンネル材にV型の切れ込みを入れるのが一般的なマウント金具の形式です。
しかし形式にこだわらずいろんな方式をお試し下さい。ちなみに私は農業用の簡単に結束できるゴムバンドや、リサイクルできるファースナーバンドを利用しています。
??ハンズとかXXホームセンターなど覗いて材料探しをしてみて下さい。

●下の水平エレメントはゴムで簡単に
●コンパクトなマウント金具の例


垂直エレメントの作り方

垂直エレメントはステンレスのワイヤーで作ります。ステンワイヤーは銅線に比べて電気抵抗が高いのですが特段問題は無いようです。
1mmか1.5mm径のもので十分でしょう。
両端は圧着端子を半田付けします。その時スリーブを入れて置くと給電部の目印として活用できます。
ワイヤーは全長が3mになるようにして下さい。寸法の精度は要求しませんが、左右の長さはきちんと揃えたほうが性能の良い物に仕上がります。


給電部の作り方

ヘンテナは構造が単純ですからここまでの作業は楽だったと思います。しかしこのままでは電波は出ません。最後の魂入れは「給電部」の作成です。

ヘンテナは大変良く出来たアンテナで、少々いい加減に作ってもそれなりの特性を得ることが出来ます。乱暴な言い方をすれば特にバランなど特殊な部品を使わずに直接給電してもSWRは2以下にすることが出来ます。(私のヘンテナはバランなしで1.5以下になりました)
<バランを作る>
アンテナの制作記事などを参考にバランを作って下さい。
・トロイダルコアを使った物(FCZ研究所のキットがグッド!)や同軸ケーブル利用のシュペルトップなど好みのものを作って下さい。私は写真のように超小型のケースにバランを組み込んで見ました。


最後に

<調整>
調整と言っても給電点の最良ポイントを探すだけです。大体下の水平エレメントから70cmほど上がった所になると思います。
最良点を見つけたら目印を付けて下さい。マジックではすぐに消えてしまいます。圧着スリーブを通していたらそれを半田付けすれば完璧です。
<運用>
これで非常にコンパクトなヘンテナが出来上がりました。実際の運用事には同じようにコンパクトになるポールが必要です。おすすめは「ケーブルキャッチャー」と言う電気工事やさんが使うグラスファイバー製の伸縮ポールです。50cm以下のもありますから合わせてすべてザックに入ります。
これで軽量コンパクトヘンテナの紹介は終わりです。細かな事はページの都合上割愛させていただきました。その分解りづらいところが多かったのでは思います。ご容赦下さい。
何かご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。このアンテナでたくさんの仲間と交信が出来ることをお祈り申し上げます。