市販品のアンテナは固定で使用することを念頭に置いているために丈夫に出来ています。この丈夫と言うことは必然的に重量に跳ね変えってしまいます。そこで、山岳移動に使いやすい下記の条件を備えたアンテナを作ることにしました。 | |
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アンテナの軽量化をするには、エレメントとブームに使用するアルミパイプを細くしてしてしまうことが考えられます。ただこの方法の欠点は、強度が落ちることと周波数帯域が狭くなってしまうことです。しかし、使用目的が山岳移動用ですからアンテナが壊れる程の強風の中で運用することは考えられませんし、運用周波数もほとんど決まっていますので問題にならないでしょう。
ところがなかなか細いパイプが見つかりません、あっても径がそろってなかったり肉厚が厚かったりします。そんななかで見つけてきたのが、「光モール TEL:0729-56-0025」と言う会社からでている「アルミ丸パイプ」です。これは、全長1mで肉厚0.5mm・直径が3mm〜10mmの1ミリ刻みで8種類あります。これだけの種類があれば言うこと無しです。肉厚も0.5mmですからこれだけで普通のアルミパイプ(肉厚1mm以上のパイプ)で作ったアンテナの半分の重さで出来きる計算になります。ブーム用には、同じ「光モール」からでている。「アルミチャネル」を使用することにしました。これは、コの字型のアルミの棒です。これに直接アンテナを固定することによってエレメントクランプを省略します。
材料が見つかった所で使用する径ですが、強度と軽量化の両面から考えてアルミパイプは6mmと5mmを、アルミチャネルは10mmと12mmを使用することにしました。
エレメントは下図の用にベースは全て6mm径のパイプを使い、ジョイント用に50mmに切断した5mm径のパイプを使用します。5mm径のパイプは片側をネジ止めして外れないように固定します。これで5mm径のパイプが付いた「A」に「B」差し込めばエレメントの完成です。
上から6mm径のパイプ
5mm径のジョイント
6mm径のパイプです。
A B 6mm径 ----------|----- ----------------- 6mm径 5mm径 --|------------- 糸 (a)...............|.......................................(b)端を固定する --|------------- ----------|----- ----------------- 2mmのネジで固定する
ただ、このままでは簡単にパイプが外れてしまいますのでこれを固定する為に(a)と(b)の間に糸を通して、これを引っ張って固定します。見た目は、キャンプで使用するターフなどを固定するポールの構造に似ています。また、この(a)(b)の間を結ぶのに使用する材料は糸でなくゴムなどでも良いのですが、私が色々ためした結果では糸(水糸)が一番安定するのでこれにしました。
この方法で必要な長さ分ジョイントすれば、見た目は6mmのアルミパイプの棒が完成します。後は携帯の事を考えて一本のパイプの長さを最長でも50cm以下で作成するようにします。
この方法でエレメントのジョイント部分を固定すると、「ネジなどのパーツを使用しないぶん軽量化」、「糸を引っ張るだけで組み立て完了」、「全てのパイプが糸で繋がっているので紛失することが無い」などの利点が上げられます。
欠点としては電気的な接合の甘さが出やすいので、パイプを良く磨くなどして注意が必要です。
ブームには「アルミチャネル」を使用します。これはコの字型のアルミ板です。これですと、エレメントを固定するのにエレメントクランプなどを使わなくても直接ネジどめすることができます。
ただこのアルミチャネルは風などによる曲げには弱いです。強度で考えるなら丸棒の方が良いのですが、エレメントの固定方法、分割した時のジョイント方法、マストへの固定方法などの問題が私なりに解決できていなので現在はこれを使用しています。
ブームは持ち運びの時の長さを考えて(MAX50cm)、真中に12mm、そして両サイドには10mmのアルミチャネルを使い下図のように3分割で作成します。
エレメント エレメント ● ● ------------------------ ------------------------ 10mm | | | | 10mm ------------------------ ------------------------ △ --------------------------- △ ネジ | ○ ○ | ネジ --------------------------- △ 12mm △ ネジ ネジ
給電部は下図の用になります。位相給電ですのでもちろん左右のエレメントは電気的に独立していて接続していません。この構造で給電点が50オームになります。いたって簡単な構造です。組み立てた後に調整する部分もありませんのでSWR計などをもち歩く必要もありません。
また製作後の調整は、Reで主にSWRの設定、Raは周波数合わせをしますがお互いに干渉します。
各部の長さは下記の式で計算します l = 0.193λ L = 1/4λ × 0.67 a = l × 0.67 b = b’= L − a 製作には、L、b’には3D2Vを使用します。給電点は今回は、プラスチックケースを加工しましたがT型コネクターを使用すると簡単に作成できます。 |
ポールは一般的には4.5mのアルミポールを使用している人が多いですが、これは岩場などを歩く時に意外に邪魔になります。そこで私はこのアンテナ(2エレ)を使用する時には「ケーブルフィシャー」と言う物を使用しています。これは、構造的には釣り竿と同じです。(グラスファイバーのポールです)ですが釣り竿よりズートしなりません。本来の用途は天井裏のケーブル引き込みに利用する道具です。
スペックは「縮小時:41cm、伸長時:5m、 重量:800g」です。これを使うようになってから、全ての道具がザックに入る用になりました。
写真は、ブームと一緒に写しています。ブームとの接続は2枚の板で挟むようにして固
定します。
基本周波数 f=50.2MHz | |||
λ=5.976m 1/2λ = 2.988m 1/4λ = 1.494m | |||
名称 | 算式 | 理論上の長さ | 実測値 |
Ra | 1/2λ X 0.931 | 2782mm | 1407mm X 2 |
Re | 1/2λ X 0.984 | 2940mm | 1493mm X 2 |
l | λ X 0.193 | 1153mm | 1153mm |
L | 1/4λ X 0.67 | 1001mm | 1001mm |
a | l X 0.67 | 773mm | 773mm |
b=b' | L - a | 228mm | 228mm |
部品名 | 個数 |
肉厚0.5mmのアルミ丸パイプ 直径5mm X 長さ1000mm | 1本 |
肉厚0.5mmのアルミ丸パイプ 直径6mm X 長さ1000mm | 6本 |
肉厚1mmのアルミチャネル 幅10mm X 長さ900mm | 1本 |
肉厚1mmのアルミチャネル 幅12mm X 長さ900mm | 1本 |
直径10mmのプラスチックの丸棒 | 1本 |
プラスチックケース W30 X H20 X D40 | 3個 |
ネジ 2mm X 長さ8mm | 12個 |
ネジ 3mm X 長さ20mm | 4個 |
ネジ 3mm X 長さ10mm | 6個 |
3mmのチョウネジ | 4個 |
ケーブルストッパー | 4個 |
M型コネクター(BNCでもOK) | 1個 |
3D2V | 1.5m |
その他 水糸など | - |