Elecraft KX3 CW運用

1)CW運用に対する初期設定
■CWサイドトーン (CW PITCH)

CW受信のサイドトーンですが、ディフォルトが 550Hz のようで私には少し低いので変更しました。
変更方法は「COMP(PITCH)」ボタンを長押しして、つぎに「KEYER/MIC」のダイアルで変更できます。変更範囲は 400〜800Hzの範囲で変わります。私は 600Hzに設定しました。これで大分聞きやすくなりました。

■CW←→SSBモード切替による周波数シフト
6mではSSBで運用していた局がCWで運用始める事は良くあります。この時にCWモードに切替えると周波数がずれてしまい運用局が聞こえなくなってしまいます。KX3ではフィルターが利くのか全然聞こえなくなります。この時にこの設定をしておくと相手を見失う事もなく運用する事ができます。

設定方法ですが
「MENU」ボタンを長押しして、「CLR」のダイルを回して「CW WGHT」を選択します。次に「CMP」ボタンを押すと"VFO NOR"と"VFO OFS"がトグルしますの で"VFO OFS"を選ぶと、モードを切り替えた時に周波数を自動的にシフトし てくれます。シフト幅は"PITCH"で設定した周波数です。
■CW-IN-SSB TRANSMIT (SSBモードのままでCWを送信する機能)
SSBモードのままでCWを送信する機能が Firmware が MCU 1.54 / DSP 1.21 にアップされた事で利用可能になりました。 これを設定すると、SSBモードのままで CW を送信する事ができます。50MHzだと7MHzのように混信がありませんので、CWフィルターを 利かす必要がありません。この機能があると上記の設定「■CW←→SSBモード切替による周波数シフト」は要らないかも知れませんね。

設定方法ですが
「MENU」ボタンを長押しして、「CLR」のダイルを回して「CW WGHT」を選択します。次に「PRE」ボタンを押すと"SSW +CW "と"SSW -CW"がトグルしますの で"SSW +CW"を選びます。これで SSBモードのままで CW送信が可能になります。
■CW/DATA チューニングガイド (CWT)
送信する前に受信信号に対してチューニングをしますが、CWでは受信した音(音程)を聞いて合わせます。SSBならチューニングがとれると音声が綺麗に復調されますので解りやすいですがCWではそうもいきません。少しぐらいズレタところで送信しても応答はありますが、でもおまり大きズレテは送信したくありません。KX3にはそんな悩みを解決してくれる機能があります。それが「CWT(CWチューニングガイド)」です。

設定方法ですが
「CW」モードで、「SPOT(CWT)」ボタンを長押しすると。ディスプレイ表示が左の写真下の画面のように「CWT」のガイド表示に変わります。この画面の時にCW信号を受信するとCWTディスプレイに単縦線として現われるます。後はこの棒(単縦線)がCWTポインターの下にくるようにVFOを回して調整します。

KX3にはもう一つすごい機能があります、それは「Auto-SPOT機能」です。CWT表示の状態でCW信号を受信中に「SPOT」ボタンを押すと、自動的に受信周波数が移動して自動チューニングをします。これは便利です。
■ブレークイン
KX3でのCW送信はVOXかPTTのいずれかを選択します。

設定方法ですが
「CW」モードで「DLY」ボタンを長押しすると、「PTT」と「VOX」を選択する事ができます。
VOXを選択すると「ブレークイン」になります。ブレークインでの送信から受信への(レシーバーがキー・アップの後に回復する時間)をセットするには、「DLY」ボタンを軽く押して「KEYER/MIC」ダイアルを回すことで設定できます。この時「0」の値を設定すると画面に「QSK」と言う表示があらわれてフルブレークインモードになります。
■CW Sidetone Level (MON)
送信する自分の信号をモニターするには「MON」ダイアル押してボリューム値を設定します。運用環境に合わせて値を決定します。
■Keyer Speed

エレキーの速度、語/分(WPM)を設定します。

設定方法は簡単で、「 KEYER/MIC」のダイアルを回すだけです。この設定は何時でも可能ですので、相手の送信スピードに合わせてその場で変更する事が可能です。


2)CW信号の解読
KX3には電信信号を文字に変換してディスプレーBに表示する機能がついています。この機能を利用すれば、送信・受信とも画面表示してくれるので、CW初心者には嬉しい機能です。
■レベル設定

CWを解読するには環境設定が必要です。設定方法はCWモードで「DATA」キーを長押しすると設定モードになります。後はダイアルBを回して任意のモードに設定します。

DEC OFF :解読OFF
TX ONLY :送信のみ解読
RX THR1〜3:送受信解読。弱い信号の場合。
RX THR4〜6:送受信解読。強力な信号の場合。
RX THR7〜9:送受信解読。強力な信号で非常に早い速度信号の場合。
※受信解読のしきい値ですが、どの値がベストなのか良くわかりませんが「RX THR6」に設定しておくと大体解読できるようです。

■自動解読表示

自動解読の設定がされていると、CWモードにしたときに画面の右下に「T」と言う文字が画面に表示されます。後は相手の信号の同調が取れると表示が始まります。 ノイズなどがあるとなかなか解読表示しなかったり、文字落ちがありますがそれでもあると心強い機能です。

3)運用
■受信フィルター
MODE FL1 FL2 FL3
CW 2.8〜1.9KHz 1.8〜0.55KHz 0.50〜0.05KHz

ディスプレイの左下に、KX3の受信フィルター通過帯域を表わすアイコンとフィルター種類が表示されます。私のKX3はオプションのルーフィングフィルター(KXFL3)が入っていますので、XFILはFL1、FL2、FL3と3種類選択できます。受信フィルターは「PBT I/II」のダイアルを長押しすると、「ディフォルト値(NORM)」と「ディフォルトボタン設定前の値」に変化します。CWモードでの受信フィルターのディフォルト値は「FL3」となります。 通過帯域機能は、PBT function I でワイド、PBT function II でシフトとなり、PBT function I を回すと「FL1〜FL3」まで変化します。

これらのフィルターは、より弱い信号の受信を邪魔をする近接の強力な信号を拒絶することができますとあります。確かに7MHzや10MHzではFL3(500Hz)で聞くととっても静かに聞こえます。

■Audio Peaking Filter (APF)
50MHzでは問題ないのですが、7MHzや10MHzのCWバンドを聞いていると沢山の信号があり私にはコピーしずらい状態となります。そこでHFにでれる無線機には基本低帯域のフィルターを装備しています。そんなわけでKX3にもルーフィングフィルター(KXFL3)をセットしたのですが、KX3にはAPF(Audio Peaking Filte)と言う機能が搭載されていました。APFは、雑音に埋もれた非常に弱いCW信号を聞きやすくする為に特別に装備された30Hzのフィルターです。フィルター・グラフィックは左の写真のように壁が出来た画面に変ります。

設定方法は
「APF」ボタンと押すと変わります。APFがオンの状態だと、PBT function I は全面的な通過帯域幅の調節で、PBT function II はAPF中心ピッチを合わせます。

この機能は実に強力です。「APF」ボタンを押すだけでON/OFFできるので、相手にチューニングを取ったら「APF」をONにすればとても静かな状態で受信できます。これをヘッドホーンで聞くのが最高です。ELECRAFTの製品がCW愛好家に愛されるのが解る気がします。

ほるす(後藤 @ JR1NNL )